1. 病気は「身体」だけの問題ではない
多くの方は「病気=身体の不調」と考えます。
しかし、鍼灸の臨床では 心の状態や生き方のクセが身体に反映されている ケースを数多く見てきました。
例えば、ストレスを抱え込みやすい人は胃腸や自律神経に不調を起こしやすく、周囲に気を使いすぎる人は肩こりや頭痛が慢性化する傾向があります。
つまり、病気は「身体」と「心」の両方のバランスが崩れた結果として表れているのです。
2. 内観とは何か?
内観とは、「自分の内側を見つめること」です。
- 自分はどんな時に緊張しているのか
- どんな言葉に心がざわつくのか
- 休むことに罪悪感を覚えていないか
こうした気づきが、症状改善のきっかけになります。
鍼灸はツボを使って身体を整えますが、患者さん自身が自分を内観すると、治療の効果が長持ちしやすいのです。
3. 鍼灸と内観が相乗効果を生む理由
鍼灸は、気血の流れを整え、自律神経の緊張をゆるめます。
すると、自然と「心の声」に耳を傾けやすくなります。
逆に、内観を通じて自分の心身の状態を理解している方は、鍼灸治療に対する反応も良く、回復が早い傾向があります。
身体を整える → 心を見つめやすくなる
心を整える → 身体も回復しやすくなる
この循環が、東洋医学の強みです。
4. 実際の臨床で感じること
当院でも、症状の根本改善が進む患者さんほど、
「最近、自分の心のクセに気づきました」
「休むことを許せるようになってきました」
といった内観の言葉を口にされます。
鍼灸師として感じるのは、症状を治すのは鍼だけではなく、その人の気づきや生き方の変化が大きな役割を果たす ということです。
まとめ
- 病気は身体だけでなく心の反映でもある
- 自分を内観することで回復のスピードが上がる
- 鍼灸と内観はお互いを高め合う
鍼灸治療を受けながら、自分自身を丁寧に見つめてみる。
それが、病気を「治す」だけでなく「再発しにくい体」をつくる第一歩になります。